小平市役所
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平櫛田中は、1872年(明治5)、現在の岡山県井原市に生まれ、青年期に大阪の人形師・中谷省古(なかたに せいこ)のもとで彫刻修業をしたのち、上京して高村光雲(たかむら こううん)の門下生となりました。その後、美術界の指導者・岡倉天心(おかくら てんしん)や臨済宗の高僧・西山禾山(にしやま かざん)の影響を受け、仏教説話や中国の故事などを題材にした精神性の強い作品を制作します。
大正期には、モデルを使用した塑造の研究に励み、その成果を代表作《転生》《烏有先生》などにおいて示しますが、昭和初期以降は、彩色の使用を試み、「伝統」と「近代」の間に表現の可能性を求めました。1958年(昭和33)に22年の歳月をかけて完成した国立劇場の《鏡獅子》に田中芸術の集大成を見ることができます。1962年(昭和37)には、彫刻界でのこうした功績が認められ、文化勲章を受章しました。
1970年(昭和45)、長年住み暮した東京都台東区から小平市に転居し、1979年(昭和54)に107歳で亡くなるまでの約10年間を過ごしました。