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子どもの遊び その2(小平市の昔話)

更新日: 2021年(令和3年)1月1日  作成部署:企画政策部 秘書広報課

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引き続き、昭和20年代後半から昭和30年代にかけての子どもの遊びについて、タマおばあさんに語ってもらう形で紹介します。
遊び道具などの少なかった時代、子どもたちはどのように遊んでいたのでしょうか。
皆さんもぜひ、遊んでみてください。

ずいずいずっころばし、かごめかごめ

ずいずいずっころばしで遊ぶイラスト

私が子どものころはね、みんなで歌いながら、いろんな遊びをしたもんだよ。
寒くて外で遊べないときもあるでしょ。
そんなときは誰かの家に上がって縁側や火鉢の周りで遊ぶの。

私が好きな「ずいずいずっころばし」は、丸く輪になって座って、まずじゃんけんで親を決めるの。

みんなが手を軽く握って筒にして、前に差し出すと、親になった子が、

ずいずいずっころばし ごまみそずい
茶つぼに追われて トッピンシャン
抜けたら どんどこしょ
俵のネズミが 米食ってチュウ
チュウチュウ チュウ
おっとさんが呼んでも おっかさんが呼んでも
行きっこなーしよ
井戸のまわりで お茶わん欠いたの だあーれ

と歌いながら、みんなの手の筒の中に人差し指を順番に入れていくの。
歌い終わったときに、親の人差し指が入った子が次の親になるんだけど、私はいつも私で止まりますようにと、一生懸命親の指を目で追っていたの。
だって、親になると、大きな声で「ずいずいずっころばし」と歌えて楽しかったんだもの。

それから外で「かごめかごめ」もよくやったよ。
これもじゃんけんで鬼を決めて、鬼になった子が真ん中にしゃがんで両手で顔を覆(おお)うの。
ほかの子は手をつないで輪になるのね。
そして鬼のまわりを歌いながら回るの。

かごめかごめ
かごの中の鳥は いついつ出やる
夜明けの晩に 鶴と亀が滑った
後ろの正面 だあーれ

歌い終わったときに、鬼の後ろにいる子が誰かを当てるんだけど、当たらなかったときは、また鬼になるんだよ。
鬼は耳をすませてね、後ろから聞こえる「だあーれ」の声を注意深く聞くの。
それで「だれだれちゃん」って当てるんだけど、後ろの子はわざと声を小さくしたり、変えたりして、わからないようにするんだよ。

こうしてみんなで手をつないで、触れ合いながら、大きな声で歌って笑って遊んだことは、ほんとうに楽しかったよ。

羅漢(らかん)さんまわし

いろんなしぐさをする子どもたちのイラスト
羅漢さんって、知っているかい。
羅漢さんはね、もともとは修行している偉いお坊さんのことなんだそうだね。
川越の喜多院には、五百羅漢という石で出来た像がそれこそ500体以上あって、笑っているのもあれば、怒っていたり、泣いていたり、いろんな表情をしているの。
それでね、その羅漢さんみたいに、いろんなしぐさをして遊ぶのが、羅漢さんまわしなんだよ。

私らが遊びでやった羅漢さんは、おもしろくてこっけいなのね。
羅漢さんまわしは、まずみんなで中向きに輪になって座るの。
それからひとりひとりがいろんなしぐさをするの。
アッカンベーをする子もいれば、耳たぶを引っ張っている子もいるし、鼻を指で押し上げて豚の鼻のようにする子もいる。
両方の人差し指を頭の上に角(つの)のように立てたり、口をねじ曲げたり、人と違うしぐさを考えるのも楽しいんだよね。
それぞれのしぐさができたら歌の始まり。

羅漢さんが揃(そ)ろたら まわそじゃないか
ヨイヤサノ、ヨイヤサノ、ヨイヤサノ

と、歌はたったこれだけなんだけど、「ヨイヤサノ、ヨイヤサ」の部分をくり返し、くり返し歌うのね。
そして右隣の子の羅漢さんのしぐさをすばやくまねするの。
みんながそれぞれ右隣の子のしぐさをまねするから、「ヨイヤサノ、ヨイヤサ」で羅漢さんは次へ次へと移っていくわけ。
こうして、どの羅漢さんも順々に左に回っていくの。
でもね、「ヨイヤサ」の掛け声で右隣の羅漢さんのしぐさをまねしなきゃならないでしょ。
右隣の子が今、アッカンベーしたら、次は頭に角、次はほっぺた引っ張ってとか、ぱっぱか、ぱっぱか変えるから、それを見てその通りにまねしているつもりだけど、動きが速いからね。
右ばかり一生懸命見てるから、自分のしぐさのほうはどうしてもおろそかになっちゃうの。
そのひょいひょいという感じをまねしてまわしてしまうわけね。
だから自分の羅漢さんのしぐさが一周して戻ってきたとき、「なんて変わってきたんだろう。崩れ羅漢さんじゃないか」と思っちゃうんだよ。
もうそのころは、どの羅漢さんもいいかげんの崩れ羅漢さんばっかりになって、どんどん回ってたね。
それがまたおもしろくて、飽(あ)きずに何度も何度も続けたものだったね。

それでね、この羅漢さんまわしは外で遊ぶのもあるんだよ。
外でやるのはまねっこ遊びじゃなくて、みんなで片足立ちで輪になって、ぐるぐる回るの。
その輪になるのが難しいの。
片足で立って、もう片方の足のひざを曲げてね。
次の人は前に立って、その曲げたひざに、自分の足先を引っ掛けて、その前からまた一人が引っ掛けてと、どんどんつながっていくんだよ。
それで最後の人が足先を最初の人のひざに引っ掛けると、つながって輪になるの。
つなげていくうちにぐらつくけど、みんなで支えあって片足だけでふんばるの。
そこで羅漢さんの歌を歌いながら、「ヨイヤサノ、ヨイヤサ」のところで、手をたたきながら片足飛びして、つながったまま進むんだけど、とっても難しくて、すぐにぐらつくんだよね。
そのまま倒れてしまうことも多かったね。
でもそれがおもしろくて、何度倒れても、足を組み直してやったもんだよ。
輪になるには人数がいるから、7、8人いないとできない遊びなんだよ。

 

(注)市報こだいら2011年1月1日号から抜粋。

市報こだいら2011年1月1日号 こだいらちょっとむかし(PDF 848.4KB)

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