小平市役所
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南無誕生仏(なむたんじょうぶつ)
木彫 昭和39年 高 46.0cm
誕生仏のユニークな姿は、摩耶夫人(まやぶにん)の右脇から生まれた釈迦が、数歩歩いたのち右手で天を指し、「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」と唱えたという伝えによる。
釈迦の誕生した4月8日には、全国の寺院で灌仏会(かんぶつえ)が行われる。この法会(ほうえ)で重要な役割を演じるのが誕生仏で、九頭の竜が幼い釈迦に水を注いだという故事にならい、参詣者たちが誕生仏に甘茶を注ぐ。
本像は、昭和39年に奈良・中宮寺からの依頼で作られた誕生仏と同形のもので、建築家の大江宏の手になる厨子(ずし)がこれに付属している。誕生仏はその用途のため、通常は銅製であるが本像は珍しい木製で、すらりと伸びた両腕や細く締まった胴体の瑞々(みずみず)しい表現と相俟(あいま)って、清新な印象を与えている。